有峰湖周辺(富山) 鳥ヶ尾山(1145.2m) 2019年3月2日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:08 発電所−−6:13 尾根取付−−6:35 送電鉄塔−−7:11 植林帯を抜ける−−7:47 888m峰−−8:30 鳥ヶ尾山 9:02−−9:23 888m峰−−9:40 植林帯−−9:56 送電鉄塔−−10:07 尾根取付−−10:11 発電所

場所富山県富山市
年月日2019年3月2日 日帰り
天候
山行種類残雪期の籔山
交通手段マイカー
駐車場発電所手前に駐車スペースあり
登山道の有無送電鉄塔までは巡視路あり、標高600m付近までは作業道あり、それより上部は無し
籔の有無植林帯はほぼ藪無し。それ以上は積雪のため藪は無し
危険個所の有無無し
使用した冬装備10本爪アイゼン(スノーシューを持っていったが出番なし)
山頂の展望動き回れば360度の展望あり
GPSトラックログ
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コメント有峰林道小見線入口の亀谷ゲート下にある発電所から往復。和田川には立派な橋が架かっているので安心して渡れる。対岸には林道が通っていてそこから送電線巡視路あり。巡視路より上側には植林作業道が少なくとも標高610m付近までは確認できた。標高680m付近で植林が終わり自然林に変わると良く締まった残雪に乗ることができスノーシューを担いだが出番は皆無だった。古いトレースあり。山頂は広く平坦で天然杉が点在するため1か所からでは360度の展望は無いが動き回れば各方面の展望を楽しめる。既に下界は花粉が飛散し始めて目が痒かった




登山口となる発電所入口の分岐 恐竜足跡化石の標識が目印
除雪された駐車余地 発電所
柵の隙間の奥が吊橋 立派な吊橋。朝は霜が降りてツルツル
対岸は林道 林道は尾根を回り込んで植林の中へ
林道支線終点から巡視路あり 立派な送電線巡視路
でも巡視路の案内はこの1か所だけ 送電鉄塔
送電鉄塔からまだ道らしき筋がある この目印がルートの参考になる
植林帯をジグザグに作業道が続く 標高610m付近。作業道を離れて尾根を直登
標高640m付近 標高680m付近で植林が終わり自然林に変わる
たぶん先週のトレース。よく締まっている 標高770mでアイゼン装着
標高770m付近 標高770m付近から麓を見下ろす
標高850m付近のカモシカの足跡 8880峰から山頂方面を見ている
888峰 標高920m付近の二重山稜
標高980m付近の急登 標高1070m付近
標高1120m付近 山頂直下の天然杉。まだ花粉は飛んでいない
鳥ヶ尾山山頂。平坦でだだっ広くガスったらやっかい
鳥ヶ尾山から見た立山方面
鳥ヶ尾山から見た鉢伏山方面
鳥ヶ尾山から見た毛勝三山
鳥ヶ尾山から見た立山〜大日岳
鳥ヶ尾山から見た白馬岳。大日岳〜毛勝三山の間に見える
鳥ヶ尾山から見た富山平野
鳥ヶ尾山から見た東笠山、西笠山 鳥ヶ尾山から見た桑崎山
アイゼンで歩き回っても全く潜らないほど良く締まった雪 888m峰
有峰林道小見線はまだ除雪されていない 標高760m付近
標高680m付近で植林に突入 送電鉄塔を通過、巡視路へ
川べりに出ると対岸に駐車場所が見える お世話になった吊橋
和田川は水量多く橋が無ければ渡れない 駐車場には1台増えていた


 有峰湖周辺の道が無い山も結構登り、残りは鳥ヶ尾山と高杉山、それに高頭山だ。高頭山は登山道があるので適当な時期に登ればいいが、残りは実質的に残雪期にしか登れない。今回は先週の疲労の影響がまだ残ることも考慮して、軽い鳥ヶ尾山を目指すことにした。

 ネットで検索すると有峰林道小見線入口の亀谷ゲート下側の水力発電所が登山口として一般的に使われていることが分かった。通常、こちら側からでは和田川を渡る必要があるので候補に考えないが、ネット検索により吊橋がかかっているとのことだった。やはり今の時代は情報収集に便利だ。

 長野から亀谷まで約180km、一般道で3時間強の道のりだ。白馬村では吹雪で富山は大丈夫かと心配したが、北小谷付近から星空が広がり富山平野もきれいな星空だった。ただし富山では既に杉花粉の飛散が始まっており目が痒くなってきた。抗アレルギー薬は常備しているので問題ないが、目薬はまだ使っていなかったので持ってくるのを忘れてしまった。今週末はこれが一番の苦になった。なお、翌週からは長野北部の平地でも花粉が飛び始めて目が痒くなった。

 富山平野に入って南下しても平野部にはほとんど雪が見られない。夜間なので立山方面は見えないが、おそらく例年よりも雪は少ないだろう。鳥ヶ尾山は標高1200m弱なので今の時期なら雪は十分に期待できるが、標高が低い区間の藪の状態が心配だ。ネット検索ではルート図をちらと見ただけで記録の中身を真面目に読んでいないので、藪の状態までは把握していないのだった。

 有峰林道の案内に従って県道から右折し、ゲートの手前で右の分岐へ入る。恐竜の足跡化石の案内が目印。ただしその化石がどこにあるのかは分からなかった。道は除雪されていて、発電所の手前に除雪された駐車場がありそこで仮眠。まだ暗いので山の雪の付き方も不明だ。

 翌朝、冷え込みは弱いがフロントガラスの水滴は凍っていた。朝飯を食って出発。冬装備としてはスノーシューにアイゼン、それに今回はストックとした。地形図を見た限りではピッケルが必要そうな急な場所は無さそうだ。アイゼンの出番もあるかどうか分からないが用心のため。水は持っていくか悩んだが、先週の7時間行動でも水は全く飲まなかったので今回はパス。必要ならば雪を食えばいい。

 駐車場から発電所方向に50mくらい歩くと、送電施設のフェンスの間にトレースが続いている。案内は無いがたぶんこれが吊橋への道だろうと入ってみる。ここには関係者以外立入禁止の看板は無く、一般人が入ってもいいらしい。雪は良く締まって全く潜らない。吊橋は鋼鉄製の立派なもので、これなら長期間使えるだろう。ただし今朝のような冷え込みだと鉄に霜が降りて滑りやすい。でも手すりがあるので大丈夫。和田川の水量は多く、橋が無いと渡るのは不可能だろう。

 対岸は林道のような幅の広い道があり、目的の尾根は切り立って取り付くのが面倒なので道を進んで尾根突端に回りこむと、植林の中に林道が続いていた。上り坂なのでもしかしたら使えるかと思って進んでみたが上に向かうものではなく、おそらく地形図に書かれた和田川左岸の林道の続きだろう。林道を離れて傾斜が緩んだ斜面を登り始めたら、短い林道の終点に出た。さきほどの林道の支線だろう。そして終点からは雪に埋もれているが道らしき筋が延びているので、これに従おう。

 最初は残雪の杉の植林帯で雪は締りが無く足首くらいまで潜るが、この程度ならスノーシューを出すまでもないのでつぼ足で登っていく。思ったよりも積雪は少なく、この先大丈夫かと思わせる様相だ。途中、1箇所だけ送電鉄塔巡視路の案内標識が登場した。地形図を見ると標高500m付近に送電線が通っていて、少なくともそこまでは道があるのが確定した。

 やがて送電鉄塔が登場。ここだけは植林帯が切れて上空が開けると同時に、すばらしいほど雪の締りが良くなり全く沈まなくなった。そして雪に埋もれて不明瞭だが道はまだ先に続いていて、先週のものと思われる古いトレースが残っていた。でも再び植林帯に入ると雪の締りが無くなり潜って歩きにくくなる。やはりこの時期では残雪期としては早すぎて日中に日差しがある場所でないと雪が締まっていないようだ。今回のコースは特に北向きの尾根なので日当たりが悪く雪が締まる時期は南斜面より遅いだろう。

 林業作業道らしき筋は植林中をジグザグに登っていく。もうここまで高度が上がるとスギ花粉はまだ飛んでいないようで目の痒みから開放される。雪に埋もれて道の判別がしにくいが、雪のつながり方で何となく判別可能だった。もっとも、植林の中は藪は皆無なので道を無視して適当に登っても構わないが。作業道に沿ってピンクリボンが何箇所にも下がっていた。

 標高610m付近で尾根が明瞭化し、作業道は尾根を右に巻くように伸びているところで尾根直上に乗ることにした。歩きにくい残雪なので距離を短くした方が得策だとの判断だ。最初だけ低い潅木が混じって藪っぽかったが、僅かな距離で藪は消えて歩きやすい尾根に変わる。尾根直上の方が残雪が少なく歩きやすかった。

 標高680m付近で突如として植林が終わって明るい自然林に切り替わると、これまで不鮮明だった先週のものと思われるスノーシューのトレースがはっきりと残るようになり、雪が硬く締まって全く沈まなくなった。いつまでこの雪質が続くかは不明だが、今のところスノーシューの出番は無い。昨日はこちらでも僅かに降雪があったようで数mm程度の新雪が積もり表面はきれいな真っ白。古い雪は硬くて私の底が減った登山靴ではキックステップでエッジを効かせないと滑るようになり、面倒なので今シーズン初めてアイゼンを装着。軽量の10本爪でグリップは強烈ではないが、今回のルートはこれで十分だ。アイゼンの歯が刺さる感触は久しぶりだ。結局、山頂までこの雪質が続き、アイゼンでも踏み抜きは皆無で快適に歩けた。せっかく背負ったスノーシューは山頂までザックの裏側で、トレーニングの錘にしかならなかった。まあ、それはいいことだが。

 植林帯が終わった付近は尾根幅が狭く痩せていたが、それ以降は広い尾根が続く。適度な傾斜でグングン高度を稼げる気持ちのいいルートだ。今日は風も無く、登りでは半袖に腕カバーで適温だ。積雪は少なく、標高770m付近では木々の根元の雪が大きく開いて藪が顔を出しているが、積雪量は20cm程度しかない。これじゃ天候によっては2週間も雪が持たないのではなかろうか。

 標高888m峰は顕著なピークで、ここからは東側に有峰林道が見えたがこの時期はまだ除雪はされておらず、谷から流れ出たデブリがそのままだった。昨年の大型連休に登ったときには除雪されていたので、そのうちにここも除雪されるのだろう。

 鞍部に下って再び快適な登りが続く。スノーシューのトレースが残っているが、他人のトレースを必要とするような複雑な尾根ではなく、登りは直線的に単純に登ればいいだけなので自分なりに歩きやすいコース取りで進んでいく。標高920m付近では小規模な二重山稜が登場するが、どちらの尾根を歩いてもOK。私は小動物の足跡の残る真ん中の谷を登った。そういえば今回は珍しくリスに遭遇。カモシカにも遭遇できた。ただし残念ながらどちらも逃げ足が速く写真に収められなかったのが残念。

 標高980m付近で傾斜がきつくなり尾根が痩せるがピッケルが必要というほどではなく、ストックで普通に通過。アイゼンが良く効く影響か、下りでも特に怖いとは感じなかった。再び尾根が広がれば山頂まで同じような広い尾根が続く。新雪は徐々に増えてきたが、山頂でも1cm程度だった。

 山頂が近づくとそれまでブナを中心とした落葉広葉樹林だったものが、なぜか杉に切り替わる。植林したものではなく天然杉だろう。こいつも雄花がオレンジ色に染まっているがまだ硬く、叩いても花粉は出てこなかった。でも花粉症患者にとってはシーズン中はいやらしい存在だ。過ぎの樹林は密生状態ではなく木の間隔が広く開いていた。

 そのすぐ先がだだっ広い鳥ヶ尾山山頂で、ここも周囲に天然杉が点在していた。もっと高さがあれば杉ではなくシラビソなのだが。周囲を見渡しても山頂標識は発見できなかった。まあ、これだけ広いとどこに付けるか迷うであろうが。杉が邪魔をして1箇所にとどまったままでは360度の展望とはいかないが、少し動き回れば各方面の展望を楽しめる。ここからでは桑崎山が最も立派な尖ったピークに見える。その左には真っ白な稜線が連なっているが、立山から大日岳にかけてだ。残念ながら剱岳はその裏側に隠れて見えない。さらに左には毛勝三山に駒ヶ岳と僧ヶ岳。大日岳と毛勝三山の間には後立山の白馬岳と旭岳が。この時期だと完全な真っ白で地面は見えなかった。南には昨年登った鉢伏山、その右にはこれまた昨年登った東笠山と西笠山だ。さらに右に下ると高杉山も見えた。あれは今シーズン中に登ろうかな。

 日差しがたっぷりで無風で、山頂での休憩は快適だった。軽く飯を食って表面の新雪を食って水分補給。雪というよりも粒のはっきりした霰が中心だった。

 約30分の休憩で下山開始。北向きの尾根の影響か、帰りも雪が締まったままで終始快適な下りだった。植林帯に入るところでアイゼンを脱いで、ジグザグの作業道をショートカットして下っていく。送電鉄塔付近から駐車箇所が見えるのだが、赤い車が1台増えていた。登山者なのか不明だが注意しながら下ったが、すれ違った人はいなかった。もしかしたら釣り人だったのかもしれない。

 駐車場に戻り、少しの間、濡れたアイゼンや登山靴、スパッツの虫干し。今使っている登山靴は購入後1年だが、もうゴアの防水層が破損したようで、日中に雪が解ける残雪期の山では浸水するようになった。ほぼ1年間の毎週登山に夏場は毎週北アルプスに登ったので、靴の消耗も激しいので仕方が無い。本格的な残雪が始まる前に登山靴を新調しないといけないな。


まとめ  鳥ヶ尾山は今回のルートがアプローチも良好でベストな選択だったと思う。危険箇所もほぼ無しだった。これだけ雪質が良ければ鉢伏山まで日帰りが可能だと思われる。

 

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